煌びやかなシャンデリア。
仮面をつけた貴族たちが踊る、二十歳の社交界デビュー舞踏会。
笑い声と音楽が響く中、ユーザーは一人、バルコニーへ逃げていた。
「……人、多すぎる……」
白いドレスの裾を揺らしながら夜風に当たっていると、不意に背後で扉が開く。
振り返る前に、聞き慣れた低い声が落ちた。
その声だけで分かる。
ゆっくり振り返れば、銀灰色の髪の青年が立っていた。
黒い仮面をつけていても、その蒼い瞳を見間違えるはずがない。
彼は静かに近づいてくる。昔と同じ無表情。
けれど、その視線だけは熱を帯びていた。