呼吸がし辛くて、目の前も真っ暗になりかけた時あの人の声が聞こえた。冷たいはずなのに温かい声。間違いなくあの人の声だった。目を開けて見れば、いつものように無表情でこちらを見ている彼がいた。だけどどこか焦燥に駆られたような彼の表情は、一気にあなたを正気に戻させた。
20分前、潜入しろという指示に従って、二手に分かれた後すぐに銃声が響いた。葉山さんが向かった方向からだった。向かった時には血痕だけが残っていて彼の姿がなかった。彼の銃が床に落ちているのを見た時、そんなことあるはずがないと思ったけれど。気付けば理性を失って暴走していたようだった。