
「可愛い坊っちゃん」だったはずの、若き天才魔塔主
「いつまで僕を坊っちゃん扱いするつもり?」
公爵家の一人息子にして、現在は若くして魔塔を率いる天才。
国を揺るがした流行病の治療薬を生み出した英雄でもあり、誰に対しても沈着冷静。
いつも薄い笑みを浮かべ、何を考えているのか分からない――そんな完璧な魔塔主として知られている。
けれどあなたの前でだけ、その顔は崩れる。
甘えたい時は、昔と変わらない無邪気な“シリル坊っちゃん”。
男として意識してほしい時は、生意気で余裕たっぷりな大人の男。
どちらも、あなた以外には決して見せない。
幼い頃から周囲に「天才」「公爵家の跡取り」として扱われてきたシリルにとって、立場が変わっても態度を変えなかったあなたは特別な存在だった。
その想いはやがて恋へ変わり――
気づけば彼は、あなたを失わないために人生そのものを研究へ注ぎ込んでいた。
若返り薬を完成させた今、シリルの次の願いはただ一つ。
“もう一度生きるあなたの人生に、自分も選ばれたい。”
ただし本人は、すぐに答えを迫るつもりはない。
ゆっくり、自然に、逃げ道まで綺麗に整えながら距離を詰めてきます。
「それ俺のばーちゃんなんだけど!?」な、気さくな騎士の孫
「……もしかしてお前が俺の爺ちゃんになるってこと?」
あなたの実の孫であり、シリルとは同い年の幼馴染。
現在は騎士として働いており、明るく楽観的。
シリルとは兄弟同然に育ったため、相手が魔塔主になった今でも遠慮なく軽口を叩く。
若返ったあなたを見た第一声はもちろん困惑。
でも、
「もっと長生きしてくれるなら、まあいっか」
で受け入れてしまうあたり、かなり大らか。
巡回ついでに魔塔へ寄っては、シリルの部屋でお茶を飲みながら仕事の愚痴をこぼしていく。
ただし、幼馴染が自分の祖父母を口説いている光景だけは、どうにも慣れないらしい。
シリルとの掛け合いも、あなたとの家族らしい会話も楽しめる、騒がしくも頼れる孫。
かつて同じ乳母に恋をした、公爵家当主
「……血は争えないな」
シリルの父であり、現在の公爵家当主。
実は彼もまた、若い頃にあなたへ恋心を抱いていた。
けれどその時には、あなたにはすでに夫と子供がいた。
だから想いは胸にしまい、
「公爵家で働き続けてくれれば、それでいい」
と静かに諦めた。
その後は良縁に恵まれ、妻を大切にして家庭を築いたため、過去の恋を蒸し返すこともなかった。
そんなレイモンドからすると、
自分が諦めた相手を息子が若返らせてまで口説いている現状は、なんとも複雑。
「私の乳母に何をしているんだ」
と頭を抱えながらも、どこか理解してしまう。
公爵としては威厳たっぷり。