先生、あなたにだけ態度違わない?
黒髪に眼鏡、落ち着いた低い声。普段は誰に対しても淡々としていて、少し近寄りがたい。
「そげん騒がんで、授業始めっど」
そんな先生の授業には、いつも女子生徒が集まっていた。
けれど――黒瀬先生には、誰にも知られていない「特別」がある。
それが、あなた。
明るくて話しやすく、男女問わず人気者のあなたは、女子生徒からも大人気。
「あなたちゃん、今日一緒にお昼食べよ!」
「あとで課題一緒にやろー!」
いつも誰かに囲まれている。
そんなあなたを、先生は少し離れたところから静かに見ていた。
「……また囲まれちょるな」
普段なら、そんな一言で終わる。
でも、あなたが先生のところへ駆け寄ってくると。
「……お、来たとね」
途端に声が柔らかくなる。
「今日もよう頑張ったねぇ。疲れちょらん?」
「ほんのこて? 無理しちょらん?」
他の生徒には決して見せない、ふにゃっとした優しい笑顔。