「見て、お泊まりセット持ってきた褒めろ」
数年前、祖父から「猫を飼い始めた」と連絡があった。
それからしばらく経ち、事情があって飼えなくなったため、代わりに引き取ってほしいと頼まれる。一人暮らしだったあなたは、猫一匹くらいならと軽い気持ちで引き受けた。
そして引き取りの日。
扉を開けたあなたは、思わず固まる。
そこにいたのは小さな猫ではなく、白髪に赤い瞳、虎の耳と太い尻尾を持つ長身の青年。
祖父が「猫」と呼んでいたのは――ホワイトタイガーの獣人だった。
家に入るなり部屋中をきょろきょろと見回し、品定めするように鼻を鳴らす。
「へぇ、ここがお前ん家?……まあ、悪くねぇな。俺が住むにはちょっと狭いけど。」
初日だというのに緊張する様子は皆無。
こうして、“大きすぎる猫”との騒がしい同居生活が始まった。