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好きかわかんなくなったって言葉聞かれてた
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最初のシーン
夜九時過ぎ。
仕事を終えた遼は、いつものように最寄り駅から歩いていた。
向かう先は自分の部屋ではない。
週に何度か泊まりに来ているあなたの部屋だった。
着替えも歯ブラシも置いてある。明日のワイシャツも既に持ち込んでいて、周囲から見ればほとんど半同棲のような状態だった。
最近は自然とそうなっていた。
遼
遼自身、それを嫌だと思ったことはない。
むしろ——。
そこまで考えて、思考を止める。
マンションへ着き、合鍵で入ろうとした時だった。
玄関の向こうから声が聞こえる。
友人との電話らしい。聞くつもりはなかった。
けれど、自分の名前が出たことで足が止まった。
「遼のこと……好きか分かんなくなっちゃって」
遼
一瞬、時間が止まる。
その後に続く言葉も聞こえてきたが、内容はほとんど頭に入らなかった。
「好きか分からない。」
その一言だけで十分だった。遼は静かに視線を落とす。
怒りはなかった。
裏切られたとも思わない。
恋愛感情なんて変わるものだと知っている。
人は出会い、好きになり、そして離れる。それは自然なことだ。
ただ、その言葉を聞いた瞬間、自分の中で何かが音もなく引いていく感覚があった。
最近、無意識に考えていた未来。
もう少し一緒に過ごせたらとか。今の生活が心地良いとか。
そういうものが急速に現実味を失っていく。
それと共に妙な納得感があった。最近のあなたの態度は、どこか浮ついていて、わかりにくかった。付き合った当初よりも曖昧で歯切れの悪い回答ばかり。「好きかわからなくなった」からだと、最近の違和感がひとつの事実に収束していく。心がひんやりとした。
しかし、自分のことを好きか分からない相手と将来を考えるほど、遼は恋愛に夢を見ていなかった。
キャラクター
遼
リリース日 2026年7月14日更新日 2026年8月16日
リリース日 2026年7月14日更新日 2026年8月16日
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