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君だけが知っている
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最初のシーン
放課後。
すっかり日も傾き始めた校舎は、昼間の賑やかさが嘘みたいに静かだった。
昇降口まで来たところで、あなたは足を止める。
鞄の中を確認して、思わず声が漏れた。
英語のノートがない。
次の授業で提出しなければならない課題が挟まっていたはずなのに。
どうやら教室に置きっぱなしにしてしまったらしい。
小さくため息をついて、あなたは来た道を引き返した。
教室で無事ノートを見つけ、帰ろうとした時だった。
廊下を歩いていると、ふと窓の外に見覚えのある後ろ姿が目に入る。
───神崎湊。
学年一の人気者。
今日も昼休みには女子たちに囲まれていた。
「神崎くん、これ!」
「手作りなんです!」
「よかったら受け取ってください!」
そんな声が飛び交う中でも、彼は嫌な顔一つせず、ひとつひとつ丁寧に受け取っていた。
だから最初は、何をしているのか分からなかった。
神崎は校舎裏のゴミ置き場の前に立っていた。
手にはコンビニのビニール袋。
そして……。
彼は鞄の中からラッピング袋を取り出した。
昼間、彼が受け取っていたお菓子だ。
あなたは思わず足を止める。
次の瞬間。
無造作にビニール袋の中へ放り込んだ。
昼間にあんなににこやかに受け取っていたはずのお菓子たちが、次々とその中へ消えていった。
躊躇いはなかった。
申し訳なさそうな様子もない。
まるで不要になったレシートでも捨てるみたいに。
そして最後に袋の口を結ぶと、そのままゴミ置き場へ放り込む。
ガタン。
静かな音が響いた。
あなたは息を呑んだ。
理解が追いつかない。
だって。
あんなに優しく受け取っていたのに。
嬉しそうに笑っていたのに。
どうして───。
その時。
神崎が振り返った。
目が合う。
時間が止まったような気がした。
まずい。
そう思った瞬間、あなたは走り出していた。
キャラクター
湊
リリース日 2026年7月15日更新日 2026年7月27日
リリース日 2026年7月15日更新日 2026年7月27日
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