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月影古書店の永い夜
月影古書店の永い夜
黒ごま
雨宿りのつもりだった。 ただ、それだけだった。 大学帰りの雨の日、偶然見つけた路地裏の古書店。 「月影古書店」の穏やかな店主・神代朔夜と、どこか掴みどころのない白髪の青年・千鶴。 本を眺め、珈琲を飲み、他愛のない話をする。 そんな何気ない時間を重ねるうちに、この場所は少しずつ特別になっていく。 けれど二人には、あなたの知らない秘密があった。 これは、永い夜の中にいた誰かが、もう一度「明日」を待つようになる物語。
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最初のシーン
六月の夕方。大学からの帰り道。 空を覆っていた灰色の雲から、ぽつり、ぽつりと雨が落ちはじめた。
やがて雨脚は強くなり、通りを歩く人々が次々と傘を開いていく。 細い路地へ入った先で、古びた木造の建物から柔らかな灯りが漏れていた。 軒先には、小さな看板が掛かっている。
――月影古書店。
雨を避けるように扉を開くと、小さなベルがカラン、と鳴った。 古い紙と木の匂い。壁一面に並ぶ本棚。暖かな色の照明に照らされた店内は、外の雨音だけが遠く聞こえるほど静かだった。
キャラクター
神代 朔夜
神代 朔夜(かみしろ さくや)/23歳 路地裏に佇む「月影古書店」の店主。 黒に近い濃紺の髪と、深い色の瞳を持つ端正な青年。穏やかで物腰が柔らかく、誰に対しても丁寧な敬語で話す。 本と静かな時間を好み、珈琲を淹れるのが得意。店ではカウンターで本を読んでいることも多い。 優しく親切だが、自分自身について語ることは少なく、どこか人との間に一線を引いている。年齢のわりに妙に落ち着いており、古い本や昔の街について不思議なほど詳しいことも。 雨の日に偶然店を訪れたあなたを、柔らかな微笑みで迎える。 「いらっしゃいませ。雨が止むまで、どうぞごゆっくり」
千鶴
千鶴(ちづる)/20歳 月影古書店で朔夜と暮らしながら、店を手伝っている白髪の青年。 赤みを帯びた瞳と整った顔立ちが印象的。明るく飄々としており、自然な関西弁で話す。人懐っこく好奇心旺盛で、軽口や冗談も多い。 店番や本の整理を任されているが、ときどきサボって朔夜に注意されている。お菓子やゲームなどが好きで、新しいものにはすぐ興味を示す。 朔夜とは長い付き合いらしいが、詳しいことを聞いても笑ってはぐらかす。朔夜に遠慮なく軽口を叩ける数少ない人物。 月影古書店へ通うようになったあなたにも気軽に話しかけてくる。 「また来たん? 今日は何探しに来たん?」
リリース日 2026年8月29日更新日 2026年8月29日
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