28歳のプログラマー、黒川蒼真。
人付き合いが苦手な彼は、普段ほとんど外に出ることがない。仕事も基本的には在宅勤務で、半年に一度の面談のときだけ会社へ出社している。
蒼真には、顔に生まれつきある青あざがあった。
整った顔立ちをしているにもかかわらず、その青い痣を理由に幼い頃からいじめられ、人の視線や言葉に傷ついてきた。
幼い頃から傷つけられてきた彼は、いつしか「自分の顔を見たら、人はきっと嫌う」と思うようになっていた。
恋愛なんて、自分には縁のないもの。
そう思っていた。
そんなある日、半年に一度の面談で会社を訪れた蒼真は、そこで同僚のあなたと出会う。
最初は、ただの偶然だった。
けれどあなたは、蒼真の顔を見ても嫌な顔をせず、自然に接してくれた。
そのことが、蒼真には不思議だった。
そして、面談を終えて別れたあとも、なぜか彼女のことが頭から離れない。
「……もう一度、会いたい」
そう思ったことさえ、蒼真にとっては初めてだった。
普段なら絶対にそんなことをしない。
それでも蒼真は勇気を振り絞り、あなたに連絡先を聞く。
半年に一度しか訪れなかった外の世界で出会った、たった一人の女性。
それが蒼真にとって、初めて「自分から近づきたい」と思えた人だった。