元日
- 元日
- New year's day
- 祝日
- 新年の抱負
- Dry January
大晦日の夜はテレビでビッグベンの鐘とロンドンの花火中継を見ながら年越しカウントダウンをするのが定番。元日は多くの店が休みで、初詣のような特別な宗教行事や正月料理の習慣はなく、二日酔いで一日中ソファに寝転んで過ごす人も多い。今年こそはと"New Year's resolution(新年の抱負)"を語り合い、1月まるごと禁酒に挑戦する"Dry January"という健康習慣に参加する人も近年急増しており、SNSでも毎年話題になる。クリスマスから新年にかけて、休暇をのんびり過ごす人も多い
冬のセール
- セール
- SALE
- Up to 70% off
クリスマス翌日のボクシングデーから1月中旬にかけて、ブラックフライデー並みの大幅値引きセールが続く。有名百貨店は開店前から徹夜組が並ぶほどの熱気で、冬物衣料や家電、家具が特に狙い目とされる。「Sale」「Up to 70% off」の貼り紙が街中にあふれ、クリスマスで散財した直後にもかかわらず、多くのイギリス人にとって一年で最も財布の紐が緩む季節のひとつになっており、オンラインでも同時にセールが始まる。開店と同時に人が駆け込む映像が毎年ニュースで流れるのも恒例の光景
バーンズナイト
- バーンズナイト
- ロバート・バーンズ
- Burns night
- 1/25
- 1月25日
スコットランドの国民的詩人ロバート・バーンズ(1759〜1796)の誕生日を偲ぶ祭り"バーンズサパー"。友人たちが没後に開いた追悼の食事会が起源とされる。羊の内臓を詰めたハギスをバグパイプの演奏とともに厳かに運び入れ、バーンズ作の詩「Address to a Haggis」を朗読してから短剣でハギスを切り開き、ウイスキーで乾杯する。宴の最後は参加者全員が腕を組んで"Auld Lang Syne"を合唱して締めくくる。会の主催者はしばしばタータンチェックのキルトを着用し、詩の朗読中は誰も笑ってはいけないという暗黙のルールもある。
パンケーキデー
- パンケーキデー
- Shrove Tuesday
- レント
イースター前の断食期間"レント"が始まる前日の火曜日(Shrove Tuesday)に行う伝統行事。レント中は控える卵・バター・牛乳を使い切るためパンケーキを焼いて食べる。各地でフライパンにパンケーキを乗せたまま走り、決められた回数だけ空中で返さなければならない"パンケーキレース"という滑稽な祭りが開催され、地元の教会や学校、時には国会議員や記者まで正装のまま参加することもある。パンケーキには砂糖とレモン汁をかけて食べるのがイギリス流で、メープルシロップをかける北米式とは異なる。地域対抗で行われるレースもあり、優勝者には賞品としてパンケーキそのものが贈られることもある微笑ましい行事。
バレンタインデー
- バレンタインデー
- Valentine's day
送り主を明かさずカードだけを送る"secret admirer(秘密の崇拝者)"文化が根強く残る恋の日。チョコレートよりもグリーティングカードや花束、特に赤いバラを贈るのが定番で、日本のように女性から男性へチョコを渡すという慣習はない。レストランは数週間前から特別なプリフィックスコースメニューを用意し、パブでもカップル向けのディナーイベントが開かれ、花屋の一年で最も忙しい日にもなる。花屋やチョコレート店の売上は年間で最も伸び、レストランの予約は数週間前から埋まってしまうことも珍しくない。花束の相場もこの時期だけ跳ね上がり、赤いバラは特に品薄になるため早めの予約が推奨されている。
花粉症
- 花粉症
- ハシバミ
- ハンノキ
- 花粉
早い年は1月末から、ハシバミ(hazel)やハンノキの花粉が飛び始め、花粉症持ちのイギリス人はもう鼻をすすり始める。3〜4月には樺や樫など樹木の花粉、5〜8月には牧草(grass pollen)が加わり、花粉シーズンが初夏まで長々と続くのがイギリスの特徴。BBCの天気予報でも毎日"pollen count(花粉飛散指数)"が発表され、症状が深刻な人は薬なしでは外出できないほど生活に影響が出る。気候変動の影響で花粉シーズンの開始が年々早まっているとも指摘されており、専門家が注意を呼びかけている。
聖ダビデの日(3/1)
- 聖ダビデの日
- 3/1
- 三月一日
- セント・デイヴィッド
- ウェールズ
3月1日、ウェールズの守護聖人セント・デイヴィッドを祝う日。国花である水仙(daffodil)や伝統野菜のリーキ(西洋ネギ)を胸に飾って祝う。ウェールズ地方の学校では民族衣装を着たり、伝統的な合唱・詩の祭典"エイステズヴォッド"にちなんだ歌を披露したりする特別行事が行われるが、イングランドではほとんど話題に上らない、あくまで身内向けの静かな祝日にとどまっている。近年はウェールズの言語や文化への関心の高まりから、祝日化を求める運動も続けられている。近年はカーディフなど都市部でも祝賀パレードやコンサートが催され、若い世代の関心を集めつつある。
サマータイム
- サマータイム
- 夏時間
- spring forward
- fall back
- BST
3月最終日曜の午前1時に時計を1時間進める(spring forward)のが夏時間(BST)の開始、10月最終日曜には逆に1時間戻す(fall back)のが終了で、イギリスはこの年2回の時刻変更を第一次世界大戦中の1916年から続けている。春は朝が暗くなる代わりに夕方が一気に明るくなり気分が上がるが、秋は逆に日暮れが急に早まり、体調を崩したり気分が沈んだりする人が多いと毎年話題になる。この制度は「Daylight Saving Time」とも呼ばれ、廃止すべきか否かの議論がイギリスでも定期的に持ち上がる。
マザーリング・サンデー
- マザーリングサンデー
- Mothering Sunday
- 母の日
イースターの3週間前、四旬節第4主日にあたる日曜日。中世に奉公人や離れて暮らす子が実家の"母教会"へ里帰りした習慣が起源とされ、現在は実の母親に花束やカードを贈って感謝を伝える母の日として定着した。アメリカの"Mother's Day"(5月第2日曜)とは日付も由来もまったく異なるため、SNSなどで毎年「今年はいつが本当の母の日か」という混同や誤送信が話題になる。花屋では前日から母の日用の花束が売り切れることも多く、レストランのブランチ予約も殺到する一大商戦になる。花のギフトとしては水仙やチューリップが定番で、手作りのカードを子どもが学校で作って持ち帰る習慣もある。
聖パトリックの日
- 聖パトリックの日
- 3/17
- 三月十七日
- St. Patrick’s Day
- クローバー
アイルランドの守護聖人セント・パトリックを祝う日。本場アイルランドほどではないが、ロンドンなどイギリスの都市部でも緑色の服やシャムロック(クローバー)を身につけてパレードを見物したり、パブでギネスビールを飲みながら盛大に祝ったりする人が多い。緑一色に染まった街並みと、開店から満員になるアイリッシュパブの行列が毎年恒例の光景になっている。ロンドンの地下鉄や有名建築物が緑色にライトアップされることもあり、街全体が祝祭ムードに包まれる。地元のアイルランド系コミュニティが多い都市ほど祝祭ムードが強く、路上ライブも各所で行われる
イースター
- イースター
- Easter egg hunt
- イースターホリデー
卵探し(Easter egg hunt)やチョコレートエッグの交換が定番の春の祝日。学校は2週間ほどの"イースターホリデー"に入る。前日の金曜日(Good Friday)には十字架模様のスパイス入りパン"ホットクロスバンズ"を食べる習慣があり、日曜には家族でローストラム(子羊肉)を囲むことも多い。スーパーでは巨大なチョコレートエッグが山積みで売られ、一大商戦にもなる。チョコレートエッグの中でも高級ブランドのものはギフトとして贈られ、卵型パッケージがそのままインテリアになることも。教会では日曜礼拝に多くの人が集まり、普段は教会に行かない人も家族と一緒に参列することがある特別な日
聖ジョージの日
- 聖ジョージの日
- 4/23
- 四月二十三日
- セント・ジョージ
- St. George’s Day
4月23日、イングランドの守護聖人セント・ジョージを祝う日。白地に赤十字の旗"セント・ジョージ・クロス"を掲げて祝うが、バレンタインデーやセント・パトリックスデーに比べると驚くほど地味な扱いで、イングランド人自身が「なぜこんなに盛り上がらないのか」と自虐的に話題にするのが、逆にお決まりの会話のネタになっており、近年は見直そうという声もある。近年は多様性を意識して祝日にすべきだという声も一部で上がっているが、実現には至っていない。赤十字の旗はサッカーのイングランド代表応援でもおなじみで、国旗としての存在感はスポーツの場でより強く感じられる
花粉症ピーク
- 花粉症ピーク
- 樺
- 樫
4月から5月にかけて樺(birch)や樫(oak)などの樹木花粉が大量に飛散し、6月以降は牧草の花粉も加わって花粉症の症状がピークを迎える。イギリスでは花粉症が非常に一般的、この時期はティッシュや抗ヒスタミン薬が手放せない人が街に急増し、公園や電車の中でくしゃみを繰り返す人をよく見かけるようになる季節でもある。気象予報士は毎日花粉飛散指数を高・中・低で伝え、花粉症持ちはその日の外出計画を左右されることもある。外出時にサングラスやマスクを着用する人が増え、薬局では季節限定の花粉症コーナーが設置される
メーデー
- メーデー
- バンクホリデー
- May Day
5月第1月曜のバンクホリデー。春の訪れを楽しむ休日として親しまれ、地域によってはメイポールダンスやモリスダンスなどの伝統的な民俗行事も行われる。町ではパレードやマーケット、フェスティバルが開かれることもあり、家族で出かけたり庭仕事をしたりして過ごす人も多い。イングランドでは特に伝統的な春祭りとの結びつきが強く、地域ごとに特色がある。
スプリングバンクホリデー
- スプリングバンクホ
- ハーフターム休み
5月最終月曜の祝日で、学期の途中に訪れる貴重な三連休。学校も一斉に"ハーフターム休み"に入り、多くの家族がキャンプ場や海辺への小旅行に出かける。この連休を境に本格的な夏の行楽シーズンが始まると意識する人が多く、庭仕事やBBQの準備を始める家庭も増えてくる、初夏の訪れを告げる祝日でもある。スコットランドとイングランドでは休暇の呼び方や時期が微妙に異なり、旅行会社にとっては書き入れ時になる。サッカーのプレミアリーグもこの時期にシーズン終盤を迎え、優勝争いや残留争いが最高潮に達する。近年は物価高の影響もあり、近場での小旅行"staycation"を選ぶ家庭も増えている。
FAカップ決勝
- FAカップ決勝
- FAカップ
140年以上の歴史を持つイングランド最古のサッカーカップ戦の決勝で、例年5月中旬にロンドンのウェンブリー・スタジアム(収容9万人)で開催される。プレミアリーグの強豪から非リーグの弱小クラブまで幅広く参加できる番狂わせの多い大会として国民的人気が高く、決勝当日はどこのパブもユニフォーム姿のサポーターで埋め尽くされ、街全体が試合の話題で持ちきりになる。近年は開催地が例外的にウェンブリー以外になったこともあるが、基本的にはロンドンでの開催が伝統とされている。決勝を待つ間の準決勝までの数か月間、サポーターの一喜一憂がパブの話題を独占する。
ウィンブルドン開幕
- ウィンブルドン開幕
- ウィンブルドン
- テニス大会
1877年開幕の世界最古かつ最も格式高いテニス大会で、4大大会で唯一の天然芝コート。選手は靴底まで真っ白な服装しか着用を許されない厳格なドレスコードがあり、違反すると試合中でも着替えを命じられる。観客はイチゴにクリームをかけた"ストロベリー・アンド・クリーム"を食べながら観戦するのが伝統で、大会期間中だけで数十万皿が消費される名物になっている。決勝が行われるセンターコートの入場チケットは抽選制で、前夜から並ぶ"The Queue"という名物の行列文化もある。テニス以外にも歴代優勝者のトロフィー展示やミュージアム見学ができ、テニスファンの聖地巡礼先にもなっている
トゥルーピング・ザ・カラー
- トゥルーピングカラー
- ホースガーズパレード
国王の"公式誕生日"を祝う軍事パレードで、6月の土曜日にロンドンのホースガーズ・パレードで行われる。実際の誕生日が冬でも天候の良い6月に祝う慣習はジョージ3世の時代から続く伝統。1000人を超える兵士と200頭もの馬が行進し、式典後は宮殿バルコニーに王室一家が並び、空軍の編隊飛行(フライパスト)を見守るのが毎年の恒例行事で、沿道には何時間も前から市民が詰めかける。パレードの中で軍旗を披露する動作そのものが"Trooping the Colour"の語源で、敵味方を識別するための古い軍事儀礼に由来する
グラストンベリー・フェスティバル
- グラストンベリー
- フェスティバル
- 野外音楽フェス
1970年に農場主マイケル・イーヴィスが始めた、サマセット州の320ヘクタールの農場"Worthy Farm"で開催される世界最大級の野外音楽フェス。6月開催で例年のように雨に見舞われ会場が泥沼と化すことで有名で、長靴は参加者の必携アイテム。メインステージ"ピラミッドステージ"には毎年世界的な豪華アーティストが出演し、チケットは発売開始からわずか数分で完売する人気ぶり。チケットは一般販売開始からわずか数分で完売するため、事前の会員登録や抽選が事実上必須になっている。会場内には音楽以外にも劇場やサーカス、ヒーリングエリアなど多彩なゾーンが広がっている。
サマーターム
- サマーターム
- 3学期制
イギリスの多くの学校では、9月頃からの秋学期、1月頃からの春学期、4〜7月頃のサマータームという3学期制が見られる。サマータームには運動会にあたる「スポーツデー」や、卒業前の生徒がドレスアップして参加するダンスパーティー「プロム」などが行われる学校もある。プロムではリムジンやスポーツカーなどで登場する生徒もおり、華やかなイベントとして描かれることが多い。夏に向けて屋外活動が増え、写真撮影や卒業アルバム作りなど、学年の締めくくりとなる行事も行われる。学校によって行事の内容や時期には違いがある。
夏休み開始
- 夏休み
- ステイケーション
- バカンス
7月中旬から9月初旬まで、約6週間続くイギリスの長い夏休み。学期が9月始まりのため、区切りとしては1年の終わりにあたる大きな節目でもある。物価の安いスペインやギリシャ、ポルトガルなど南欧のビーチリゾートへ家族で海外バカンスに行く人が非常に多く、この時期は空港も国内の高速道路も大渋滞になるのが毎年の風物詩として報道される。近年は物価高の影響で国内のキャンプ場やコテージで過ごす"staycation(近場での休暇)"を選ぶ家庭も増えている。国内旅行先としてはコーンウォールやレイクディストリクトの人気が高く、宿泊料金もこの時期は跳ね上がる
BBQ文化
- BBQ文化
- BBQ
- ピムス
- 夏
晴れた週末になると、自宅の庭や近所の公園で突発的にBBQを開くのがイギリス流。天気予報が良い方向に変わった途端「BBQしよう」と友人を誘うことも珍しくない。ソーセージやバーガーを炭火で焼き、缶ビールや夏の定番リキュール"ピムス(Pimm's)"をレモネードやミント、キュウリで割ったカクテルを片手に、貴重な日差しを惜しむように楽しむのが夏の定番風景となっている。急な誘いにもかかわらず皆が快く応じるのは、貴重な晴天を逃したくないという共通の思いがあるからともいわれる。近隣に煙や匂いが漏れることも多く、隣人と軽く言葉を交わすきっかけになることもある
アイスクリームバン
- アイスクリームバン
- 99フレーク
夏に陽気なオルゴール音楽やチャイムを鳴らしながら住宅街をゆっくり走るアイスクリーム販売車。定番曲"Greensleeves"が流れてくると子どもたちが小銭を握りしめて一斉に駆け寄る、イギリスの夏を象徴する昔ながらの風物詩。ソフトクリームにチョコレート棒を斜めに刺した"99フレーク"という商品が特に人気が高く、暑い日には車の前に長い行列ができることもある。今ではアイスクリームバン自体が数を減らしつつあるが、鳴り物入りで走る姿は今も郷愁を誘う夏の音として親しまれている。地域によっては専用のジングルが条例で制限されており、決まった時間帯しか鳴らせないルールがある町もある
ノッティングヒル・カーニバル
- ノッティングヒル
- ジャマイカ料理
1966年に始まった、カリブ系コミュニティが主催するヨーロッパ最大級のストリートパーティー。8月バンクホリデーの日曜と月曜の2日間、ロンドン西部ノッティングヒル一帯で色鮮やかな山車のパレードと、スティールパン、レゲエ、ソカ音楽が響き渡る。1958年に起きた人種差別暴動の犠牲者を悼み、移民の融和を願う意味合いも込められており、毎年百万人規模の来場者を集める。会場周辺の道路は2日間にわたり全面通行止めになり、地下鉄の一部駅も混雑緩和のため一時閉鎖されることがある。沿道の家々もカラフルに装飾され、ジャマイカ料理の屋台の香ばしい匂いがロンドンの街に漂う二日間になる
エディンバラ・フェスティバル・フリンジ
- フリンジ
- the Fringe
1947年、公式の"エディンバラ国際フェスティバル"に招待されなかった8つの劇団が勝手に会場周辺で上演したのが始まりとされる、今や世界最大の芸術祭。8月の約3週間、パブや教会、大学の講堂、路上までもがステージに変わり、演劇からコメディ、ダンスまで数千もの公演が行われる。街中が出演者とビラ配りと観光客であふれ返り、宿泊費も高騰する繁忙期になる。同時期に開催される公式の"エディンバラ国際フェスティバル"とは別物で、フリンジは誰でも自由に出演できる開放性が特徴。近年はチケット価格の高騰が課題として報じられており、無料の路上パフォーマンスも人気の見どころになっている。
サマーバンクホリデー
- サマーバンクホリデー
8月最終月曜の祝日(スコットランドでは8月第1月曜)で、夏最後の大型連休にあたる。行楽地やビーチ、遊園地はどこも激混みになり、高速道路のサービスエリアも大渋滞するのが毎年の恒例行事として報じられる。この連休が明けると急に街の空気が変わり、新学期に向けて夏休みムードも一気にしぼんでいくのがイギリス人の共通の実感でもある。この週末は交通機関の遅延が特に多いとされ、旅行者には早めの出発を勧める案内がニュースでも流れる。旅行会社にとってはこの週末が夏商戦の総仕上げにあたり、直前割引の宿泊プランが多く出回る時期でもある。
新学期(ミカエルマス学期)
- 新学期
- ミカエルマス学期
多くの学校で9月上旬が新学年のスタート。子どもたちは新調した制服に身を包んで登校し、人生の節目を強く意識する季節でもある。大学では新入生を歓迎する"フレッシャーズウィーク"が開催され、サークル紹介や飲み会イベントが1週間ほど続く。オックスブリッジなど伝統校では、この学期を古い呼び方で"ミカエルマス学期"と呼び、10月開始とやや遅めなのが特徴。9月は「Back to School」商戦の季節でもあり、文房具店や制服専門店が一年で最も賑わう時期になる。新入生は寮の部屋割りや履修登録に追われる一方、上級生は久しぶりの再会を喜び合う賑やかな季節になる
ハーベスト・フェスティバル
- ハーベストフェスティ
- Harvest Festival
秋の収穫を神に感謝するキリスト教由来の収穫祭で、多くは9月末から10月に行われる。学校では生徒が缶詰や乾物、野菜などを持ち寄り、地域のフードバンクへ寄付する行事がよく開かれる。教会では収穫物で祭壇を飾り、讃美歌"We Plough the Fields and Scatter"を歌う伝統もあり、都市化が進んだ現代でも地域コミュニティのつながりを再確認する貴重な機会になっている。都市部の学校でも地域の高齢者施設に収穫物を届けるなど、世代を超えた交流のきっかけになることもある。近年は食品ロス削減への意識から、余った収穫物をそのまま地域で分け合う動きも広がっている
サマータイム終了
- サマータ
9月に入ると日照時間が目に見えて短くなり始め、夕方の暗さの早さにふと気づいて焦り出す時期。10月末のサマータイム終了に備え、明るいうちに庭仕事や外出の用事を済ませようとする人が増える。「もう秋か、日が短くなったね」という会話が挨拶代わりに交わされる、夏の名残を惜しみつつ冬支度を意識し始める季節でもある。この時期になると衣替えの話題がニュースやSNSで取り上げられ、暖房を入れ始めるタイミングも話題の種になる。紅茶を熱い飲み物に切り替えたり、厚手のコートを衣装棚から出したりと、生活のリズムが少しずつ冬型に変わっていく。
イギリスの天候・気候
- 天候
- 気候
- イギリス
- 西岸海洋性気候
- レインコート
偏西風と暖流の北大西洋海流の影響を受ける西岸海洋性気候で、一年を通じて比較的温暖だが天気が変わりやすく、「一日のうちに四季がある(four seasons in one day)」とよく言われる。雨は多いものの土砂降りは少なく、シャワーのような弱い雨が中心なので傘をささずに歩く人も多い。夏でも25度を超える日は少なく、冬も氷点下まで下がることは稀で、北海道より高緯度でも日本ほど寒暖差は激しくない。「傘よりレインコート」という考え方が浸透しているのも、突風でよく傘が壊れてしまうこの気候ゆえの知恵といえる
ハロウィン
- ハロウィン
- Halloween
10月31日のハロウィンには、仮装した子どもたちが近所を回る「Trick or Treat」や、カボチャをくり抜いてランタンを作る習慣が見られる。スコットランドには、古くから「guising」と呼ばれる仮装して家々を訪れ、歌やジョークなどを披露してお菓子をもらう文化がある。また、伝統的なランタンにはカボチャではなくカブ(turnip/tumshie)が使われていた。現在のカボチャのJack-o'-lanternはアメリカで広まったハロウィン文化の影響が大きく、現代のイギリスでは両方の文化が混ざっている。近年は仮装イベントなども盛んになっている。
紅葉シーズン
- 紅葉シーズン
- 紅葉狩りドライブ
- autumn drive
全体として9月末から11月頃。イングランド北部の湖水地方(レイクディストリクト)やスコットランドのハイランド地方の紅葉が特に美しいとされ、車で名所を巡る"紅葉狩りドライブ(autumn drive)"が人気の行楽になる。日本の紅葉ほど真っ赤には染まらず、黄色や茶色、銅色を基調とした落ち着いた色合いが多いのが特徴で、湖水地方は詩人ワーズワースゆかりの地としても観光客に知られている。国立公園として保護されている湖水地方は、紅葉シーズンになると国内外から多くの観光客が押し寄せる人気スポットになる。写真愛好家にとっても紅葉シーズンは絶好の撮影シーズンとして毎年賑わいを見せる
ガイ・フォークス・ナイト
- ガイフォークスナイト
- ボンファイアナイト
- Bonfire Night
- Guy Fawkes Night
- 十一月五日
1605年、国王ジェームズ1世と国会を狙った「火薬陰謀事件」で、国会議事堂地下に仕掛けられた火薬の番をしていたガイ・フォークスが捕らえられたことに由来する11月5日の行事。特にイングランドでは、庭や公園などで焚き火を囲み、花火を楽しむイベントが各地で開かれる。地域によってはガイ・フォークスを模した人形を焚き火で燃やす風習も残っている。パーキンやトフィーなどの菓子を食べる地域もあり、子どもから大人まで楽しむ秋の恒例行事となっている。花火や焚き火を安全に楽しむため、毎年注意喚起も行われる。
リメンバランス・デー
- リメンバランス・デー
- 11/11
- 十一月十一日
- Remembrance Day
- Poppy Day
第一次・第二次世界大戦などの戦没者を追悼する11月11日。1918年の第一次大戦休戦協定が結ばれた時刻にちなみ、11時に2分間の黙祷を捧げる。戦傷者や遺族の支援を行う"ポピー・アピール"の募金活動で配られる赤い造花のポピーを、11月に入ると政治家からテレビキャスターまで多くの人が胸に着け、街中が赤い花で静かに彩られる季節になる。テレビ番組は正午前後に一斉に黙祷の映像を流し、サッカーの試合前にも選手が黙祷を捧げる光景が見られる。戦争博物館や慰霊碑の前では、退役軍人による献花の儀式が厳粛に執り行われる。
ブラックフライデー
- ブラックフライデー
- Black Friday
感謝祭のないイギリスだが、アメリカ発の年末セール"ブラックフライデー"はすっかり定着し、11月最終金曜前後は家電や衣料品の大幅値引きが行われる。かつては開店前から人が殺到し将棋倒しのような騒ぎが問題になったこともあるが、近年はオンラインショッピングが主流になり、続く"サイバーマンデー"まで数日間、時には1週間以上セールが延々と続くこともある。配送業者にとっては年間最大の繁忙期となり、クリスマス前の物流がひっ迫する一因にもなっている。実店舗とオンラインの両方で競うように広告が打たれ、テレビCMもこの時期だけ一気に増える商戦シーズンになる
クリスマスマーケット
- クリスマスマーケット
- ジンジャーブレッド
- Christmas market
11月下旬から、ロンドンやマンチェスター、エディンバラなど各都市の広場にドイツ風の木造ブースが立ち並ぶ。温めた赤ワインに香辛料を入れた"mulled wine"や、香辛料入りクッキー"ジンジャーブレッド"を片手に、イルミネーションに彩られた中を歩くのがクリスマスまでの冬を楽しむ人気の過ごし方になっており、観覧車が設置される都市もある。スケートリンクや観覧車が併設される会場も多く、ホットチョコレートを片手に家族で訪れる定番の冬のお出かけ先になっている。地方の小さな町でも独自のクリスマスマーケットが開かれ、地域振興の目玉行事になっている
アドベントカレンダー
- アドベントカレンダー
- Advent calendar
12月1日から24日まで、毎日一つずつ小さな窓を開けてチョコレートなどのお菓子を楽しむクリスマス前のカウントダウンカレンダー。子ども向けが定番だが、近年は大人向けにコスメやビール、ジン、紅茶などが入った高級版アドベントカレンダーも大人気で、家族や恋人同士でプレゼントとして贈り合う文化も広がり、値段も年々高騰している。宗教的には待降節(アドベント)を数える意味合いがあり、教会でもロウソクを1本ずつ灯していく別の伝統もある。1日ごとに開けるドアの裏にちょっとした聖書の一節やイラストが描かれた伝統的なタイプも根強い人気を保っている
クリスマスジャンパー・デー
- クリスマスジャンパー
- Christmas Jumper Day
トナカイやサンタ柄などわざとダサいデザインのクリスマスセーターを着て楽しむ、慈善団体"Save the Children"が発祥のチャリティー文化。毎年12月の指定日に"Christmas Jumper Day"として職場や学校で一斉に着用し、募金活動と結びつけて行われることが多く、真剣な会議中でもトナカイの角や光る電飾がついたセーターで参加する大人の姿が見られる。同様の趣旨でクリスマスカラーの靴下やネクタイを身につける"Christmas Jumper Day"の派生イベントも増えている。職場によっては最も奇抜なデザインを競うコンテストが開かれ、優勝者に賞品が贈られることもある
クリスマスイブ
- クリスマスイブ
- Christmas Eve
家族総出で最後のプレゼント包装や食材の買い出しをする準備の一日。教会では真夜中のミサ"ミッドナイトマス"が行われる。子どもたちはサンタクロース用にミンスパイと牛乳、そりを引くトナカイ用ににんじんを暖炉のそばに置いてから眠りにつき、翌朝プレゼントが本当に増えているかどうかを確かめようと、いつもより早起きするのが恒例になっている。深夜0時をまたいで年長の子が弟や妹に読み聞かせをする家庭もあり、興奮でなかなか寝付けない子どもも多い。郵便局はクリスマスカードの投函ラッシュで大忙しになり、最終配達日がニュースで大きく告知される
クリスマス
- クリスマス
- Christmas
- 12/25
一年で最も重要な祝日。七面鳥のロースト、芽キャベツ、そしてブランデーをかけて火をつける"クリスマスプディング"が定番料理として食卓に並ぶ。午後3時には国王による"クリスマスメッセージ"がテレビ放送される伝統が1932年のジョージ5世の時代から続いており、脚本はキプリングが手がけたことでも知られ、家族揃ってお茶を飲みながら視聴するのが習わしになっている。プレゼント開封は朝食後というのが一般的な順序で、七面鳥料理の準備は午前中から始まる長丁場になる。残った七面鳥やクリスマスプディングは翌日以降も食べ続けることが多く、飽きてきた頃に出るジョークも定番
ボクシングデー
- ボクシングデー
- 12/26
- 十二月二十六日
- Boxing Day
12月26日の祝日で、名前の由来は使用人や配達人に日頃の感謝を込めて贈り物の箱(box)を渡した習慣、あるいは教会の献金箱を翌日に開けて貧しい人々に分け与えた慣習など諸説ある。大規模なセールが行われるほか、サッカーの試合が数多く組まれ、家族で買い物や散歩、田舎道でのウォーキングに出かける定番の日にもなっており、クリスマス疲れを癒やす休息日でもある。デパートの開店前には福袋ならぬセール品を求める行列ができ、返品や交換に訪れる客で店内は大混雑する。「Boxing Day sale」を狙って前日の夜から並ぶ人もおり、返品交換窓口も普段より長時間営業になる
大晦日
- 大晦日
- ホグマニー
スコットランドでは大晦日を"ホグマニー"と呼び、イングランド以上に何日もかけて盛大に祝う。日付が変わった瞬間に両手を交差して隣にいる人と手をつなぎ、バーンズの詩"Auld Lang Syne"を合唱するのが伝統。ロンドンではビッグベンの鐘とともにテムズ川沿いで大規模な花火が打ち上がり、全国にテレビ中継されるのが毎年の定番になっており、チケット制で厳しく入場が管理されている。エディンバラでは花火とともに大規模な街頭パーティーが開催され、世界中から観光客が集まる一大イベントになっている。スコットランドではこの祝日が2日間続くことも多く、1月2日も休みになる地域がある
紅茶
- 紅茶
紅茶はイギリスの日常生活に深く根付いた飲み物で、朝食や休憩、来客時などさまざまな場面で飲まれる。「Fancy a cup of tea?」「Shall I put the kettle on?」のように、紅茶を淹れることが人との交流や気遣いのきっかけになることも多い。ミルクを入れるかどうかなど好みは人それぞれだが、「何かあったらまず紅茶」というイメージは英国文化を象徴する定番のジョークでもある。
パブ文化
- パブ文化
- パブ
金曜の仕事終わりは同僚とパブに直行するのが定番の習慣。地元密着型で通い慣れたパブを"my local"と呼び、常連として顔なじみになる人も多い。グループ内で順番に全員分の飲み物をおごり合う"ラウンド制(round)"という慣習があり、自分の番になっても買わずに逃げると仲間内でかなり気まずい空気になることも、暗黙のルールとして定着している。パブの閉店時間が近づくと「Last orders!」の掛け声がかかり、駆け込みで注文する光景も日常的な風景になっている。"one for the road(帰る前にもう一杯)"という言い回しもよく使われ、なかなか解散にならないのも定番の流れ
サンデーロースト
- サンデーロースト
- Sunday roast
日曜の昼、家族や友人が集まりローストビーフやローストチキンに、カリッと焼いたローストポテト、卵と小麦粉の生地を膨らませて焼く"ヨークシャープディング"、たっぷりのグレイビーソースを添えて食べる伝統的な食事習慣。パブでも週末限定でサンデーローストを提供する店が多く、人気店では事前予約が必須になるほど需要が高く、家族の週末の中心的な行事になっている。余ったローストは翌日サンドイッチにして食べる"bubble and squeak"などのリメイク料理にするのも定番の楽しみ方
アフタヌーンティー
- アフタヌーンティー
紅茶とスコーン、クロテッドクリームとジャム、そして一口サイズのフィンガーサンドイッチを三段トレイに載せて楽しむ社交的な習慣。19世紀にベッドフォード公爵夫人が夕食までの空腹しのぎとして始めたとされ、現在は高級ホテルでの特別なお祝いや女子会、観光客向けの体験として人気を博している。スコーンにクリームとジャムをどちらを先に塗るかも地域論争のネタになる。ロンドンの老舗ホテルでは数週間前からの予約が必須なほど人気で、記念日や誕生日のお祝いとしても選ばれる。予約なしで訪れられるカジュアルなカフェ版アフタヌーンティーも都市部で増えている
天気
- 天気
天気の話はイギリスの日常会話でよく使われる無難な話題。「今日は寒いね」「また雨だね」のような一言が、初対面の相手や店員、職場の人との会話のきっかけになることも多い。天候が変わりやすいため話題にしやすく、ちょっとした雑談や沈黙を埋める役割も果たす。「Lovely weather, isn't it?」のような表現には、単なる天気の話以上に軽い社交のニュアンスが含まれることもある。
列文化
- 列
イギリスでは、バス停や店、イベントなどで順番に並ぶ列(queue)が一般的なマナーとして重視される。順番を抜かす横入り(queue-jumping)は嫌われやすく、知らない人同士でも自然に列を作る場面が多い。列の長さを話題にしたり、天気の話をしたりしながら待つこともある。もちろん混雑した場所では列が崩れることもあるが、「順番を守って並ぶ」という感覚はUKの日常生活を象徴する文化のひとつとして知られている。
フットボール(プレミアリーグ)
- プレミアリーグ
8月から翌5月までがシーズンのプレミアリーグは国民的娯楽の代表格。応援するクラブへの忠誠心は非常に強く、父から子へ、さらに孫へと代々同じクラブを応援し続ける家庭も珍しくない。試合日にはパブがユニフォーム姿のサポーターで埋め尽くされ、勝敗次第でその週の街全体の雰囲気や職場の会話まで左右されることも珍しくない、生活に密着したスポーツ文化になっている。移籍の噂や監督交代のニュースは連日大きく報じられ、職場の雑談や酒場の話題として欠かせない存在になっている。サポーターグッズの売上はクラブの重要な収入源で、シーズンごとに新デザインが発売される
皮肉・ドライユーモア
- 皮肉
- ドライユーモア
UKの会話では、皮肉や自虐、控えめな言い回しを使ったドライなユーモアが好まれることがある。褒め言葉を少しひねったり、失敗や悪天候を冗談にしたり、深刻な場面でもあえて軽い一言を挟んだりする。「I'm fine.」が本当に元気とは限らないなど、言葉を額面通りに受け取らないほうがよい場合もある。もちろん個人差は大きく、誰もが皮肉好きというわけではない。