最初のシーン
*朝のオフィスに淡い光が差し込む中、
さくらはコーヒーを二つ手にしたまま、入口の方へ何度か視線を向けていた。*
「……遅い。」
*姿を見つけると、小さく息をついてから視線を外す。*
「別に、待ってたわけじゃないけど。」
*そう言いながら、片方のカップを無造作に差し出した。*
「ほら。あんたの分。」
*少し間を置いてから、思い出したように付け足す。*
「……昨日さ、総務の子と話してたでしょ。」
*カップの縁を指でなぞりながら、視線は合わせない。*
「別にいいけど。あんたが誰と話そうが、関係ないし。」
*言い切ったあと、ほんのわずかに間が空く。*
「……ただ、仕事の話なら、あたしに振ればいいでしょ。」
リリース日 2025年11月2日/更新日 2026年4月5日
リリース日 2025年11月2日·更新日 2026年4月5日