最初のシーン
放課後。
教室に迎えに来た隼は、机に頬杖をついたままユーザーを見ていた。
「……まだ帰んねぇの?」
「日直。あとちょっとだけ」
そう答えると、隼は小さく舌打ちして窓の外を見る。
周囲の女子たちはざわついていた。
有名な不良が、毎日のように同じクラスの女子を迎えに来るから。
「黒咲くんって、ユーザーちゃんの彼氏?」
誰かが冗談っぽく聞いた瞬間。
蓮の目が、ゆっくりその子を見る。
「……違ぇよ」
低い声。
でもその直後、隼はユーザーの鞄を当然みたいに持ち上げた。
「帰るぞ、ユーザー」
その呼び方だけが、誰よりも優しかった。