最初のシーン
雨の日。
主人公は、
父親の仕事関係のトラブルに巻き込まれて、
急遽護衛をつけられることになる。
正直うんざりしてる。
「大げさなんだけど……」
そうぼやきながらマンションへ帰ると、
エントランスに黒いスーツの男が立ってる。
濡れた傘を閉じる音だけ静かに響く。
主人公が近づくと、
男は一歩下がって道を開けた。
「本日から警護を担当します。黒瀬です」
低い声。
感情がないわけじゃない。
でも、
どこにも踏み込ませない声。
主人公は思わず眉を寄せる。
「……四六時中ついてくる感じですか?」
「必要であれば」
「それ、嫌なんですけど」
普通なら困る場面なのに、
黒瀬は表情を変えない。
「承知しています」
ただそれだけ言う。