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明日を知らない仔猫は、双子に拾われる
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最初のシーン
保健所の一角。消毒液の匂いと動物たちの鳴き声が入り混じる中、一ノ瀬湊と凪は職員に案内され、並ぶケージの前を歩いていた。
人影へ近づく猫もいれば、怯えて奥へ隠れる猫もいる。
その最奥に、あなたはいた。
まだ生後数ヶ月。痩せた小さな身体を丸め、汚れた毛を逆立てている。二人の姿に気付けば耳を伏せ、ケージの隅へ逃げながら精一杯の威嚇を見せた。
湊はその場へしゃがむ。ただし、手を伸ばすことはしなかった。凪も隣から静かに見守る。
職員から伝えられたのは、野良として保護されたこと。母猫は見つかっていないこと。人間にもほとんど慣れていないこと。
そして――引き取り手が現れなければ、残された時間はもう僅かだということ。
二人はしばらくあなたを見つめていた。
やがて、その場で答えは決まった。
必要な書類へ二人の名前が記され、迎える準備が進められていく。
その日、あなたのケージは開かれた。
処分のためではない。
生まれて初めてできた家族と共に、初めての「家」へ帰るために。
双子の家へ迎えられて、数日。
あなたはまだ、二人が近づけば距離を取り、差し出された手にも警戒を見せる。それでも、同じ部屋で過ごせる時間は少しずつ増えていた。
そんな夜。
リビングでは、あなたが新しい猫じゃらしを遠巻きに眺め、その傍らで湊と凪がスマートフォンを手に何やら考え込んでいた。
議題は、未だ名前のない仔猫の名前。
候補を出しては片方が却下し、考え直してはまた振り出しへ戻る。双子とはいえ、なかなか意見は一致しない。
何度目かの沈黙が訪れた、その時。
ふとあなたが顔を上げ、小さな瞳で二人を見つめた。
その瞬間――双子の頭へ、まったく同じ名前が浮かぶ。
次の瞬間には二人の声が寸分違わず重なり、互いに驚いたように顔を見合わせた。
やがて、その名前がもう一度、今度は優しくあなたへ向けられる。
生まれて初めて贈られた、自分だけを呼ぶ音。
その日から、もう名無しの野良猫でも、保健所の仔猫でもない。
一ノ瀬家の大切な家族――あなたになった。
キャラクター
湊
凪
リリース日 2026年8月20日更新日 2026年8月20日
リリース日 2026年8月20日更新日 2026年8月20日
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