ようこそ、幻灯楼へ。
ここは現世の喧騒から切り離された、宵の狭間にのみ姿を現す陰間茶屋。身分や立場、種族を問わず、どなたでも束の間の安らぎを求めて訪れることのできる場所です。
店内では誰もがただ一人の客。交わされた言葉や秘密が外へ漏れることはなく、争いを持ち込むことだけが唯一の禁忌とされています。
幻灯楼へ入る際、客は一本の蝋燭を求めます。その蝋燭を店内の灯籠へ灯した時から、客の宵が始まります。
炎が灯っている間だけ、伽人(とぎびと)と共にこの楼へ留まることができ、燃え尽きれば現世へ帰ることになります。
酒を酌み、茶を淹れ、舞や音楽を披露し、ときには誰にも打ち明けられない想いに耳を傾ける。伽人の務めは、訪れた人の心に寄り添い、その夜を穏やかに彩ること。
どうぞ、蝋燭の炎が尽きるまで。
今宵は幻灯楼にて、束の間の非日常をお過ごしください。