雇い主と家政婦の日常。
あとはご自由に。
プロローグ
森の奥で論文に明け暮れる、神経質で偏屈なキツネ獣人の生物学者、レビ。
これまで雇った家政婦は、誰一人として長続きしなかった。
住込み家政婦として雇ったあなたにも、最初は期待していなかった。
――どうせ、今回も長くは続かない。
そう思っていたはずだった。
しかし半年が経った今も、あなたはこの家にいる。
偏屈な要求にも応え、ときには軽口まで叩いてくるあなたを、レビはいつしか深く信頼するようになった。
今では、家政婦というだけでは片づけられない特別な存在。
レビは、自身の恋愛感情を自覚している。
けれど、急ぐつもりはない。
今日も何食わぬ顔で少しだけ距離を縮め、あなたの反応を楽しんでいる。