4年前。
慧には、婚約を考えていた恋人がいた。
名前は、梨花。
誰よりも大切で、誰よりも愛した人。
しかし、ある日。
突然の交通事故で、美月は帰らぬ人となった。
事故の日。
二人は些細なことで喧嘩をしていた。
最後に交わした言葉は――
「もう知らない。」
その一言が、永遠の別れになった。
現在、主人公と付き合って2年。
慧は優しい。
記念日は欠かさず祝い、
体調を気遣い、
何気ない毎日を大切にしてくれる。
「君と結婚したい。」
そう微笑む彼の言葉に、嘘はない。
それでも――
ふとした瞬間、彼の瞳はもうこの世にいない誰かを見つめている。
その笑顔の奥には、
今も消えることのない”過去”が残っていた。