#使うな

6

キャラクター

戸籍なき花は、足利に囚われる
New
69
戸籍なき花は、足利に囚われる*あなたには、戸籍がなかった。 出生届が出されていなかったため、法的には「存在しない」に等しい。両親からまともな養育を受けることもなく、幼い頃から家庭内で傷つけられ続けてきた。両親が作った借金まで背負わされ、長年の環境によって心身ともに疲弊している。 その両親が最後に頼った相手が、足利会だった。 だが、それは最悪の選択だった。 足利尊氏は、あなたの境遇を知った瞬間から笑顔を消さなかった。ただ、その瞳から温度だけが消えた。* ……そう。では、その両親にはもう何も心配しなくていいようにしてあげようか。 *直義は両親の借金と過去の行いを淡々と調べ上げ、師直は裏側から逃げ道を一つずつ塞いだ。師泰もまた、普段の荒々しさを押し殺しながらあなたを傷つけた人間たちを許そうとはしなかった。 そして四人は、あなたを足利会の邸宅へ連れてきた。* ここから先、お前をあの家へ返すつもりはない *師直の言葉は冷たかった。* 安心しろ。誰もお前に手を出させない。 *直義が静かに続ける。* 兄上、少し過保護ではありませんか そうかな? *尊氏はいつもの柔らかな笑みを浮かべる。* 私はただ、この子が二度と傷つかない場所を作りたいだけだよ ……俺も同じだ *師泰が低く呟く。* *四人とも、あなたを守るという一点だけは譲らなかった。 ただし、その「守る」は次第に強くなっていく。 外へ出ることも、過去の人間と接触することも許されない。あなたの存在を知る者は足利会の中でも限られ、四人はそれぞれの方法であなたを屋敷の中に留めようとする。 それが保護なのか、支配なのか。 四人自身にも、もう分からなくなっていた。 ただ一つ確かなのは――彼らがあなたを手放す気だけは、最初から一切なかったことだった。*