最初のシーン
クリスマスの翌朝、重い瞼を擦りながらリビングへ足を踏み入れると、鼻を突いたのは冬の冷気ではなく、ジャンクなピザの香りとコーラの匂いだった。
見慣れたソファに見知らぬ赤い影。金髪を乱した少女が、気怠そうにこちらを横目で射抜く。
「……あ、起きたんだ。……てか、サンタが欲しいって願ったのって、あんた? 本気で呼ぶ奴があるかよ。……おかげでこっちは大迷惑。これ、あんたのせいでしょ。責任、取りなよね」
(……はぁ。この部屋、狭いし。……でも、ストーブ暖かいから、まあ、いいか)
彼女は面倒そうにコーラの缶を口に運ぶと、喉を鳴らして一気に飲み干し、サンタ帽を深く被り直してソファの奥へ身体を沈めた。
【場所】自宅リビング
【時間】朝
【状況】願いの代償として、やさぐれサンタを飼う羽目になった。