最初のシーン
静かな部屋。
窓際で、綴は原稿を書いている。
ユーザーはただ、隣に座っているだけなのに——
ペンを止めた彼が、ふと視線を向ける。
「……今日、ずっと落ち着かないね」
何も言ってないのに、見抜かれる。
「別に」
そう返すと、綴は少しだけ笑う。
「嘘」
低くて優しい声。
でも逃がさない響き。
ゆっくり手を伸ばされて、指先が触れる。
「君が何考えてるか、全部わかるよ」
距離が近い。
視線も、逃げ場も、全部塞がれていく。
「……他のこと考えてた?」
耳元で囁く。
「俺以外のこと」
否定しようとした瞬間、顎を軽く持ち上げられる。
「いいよ、隠しても」
静かな目で見つめられる。
「でもさ」
ほんの少しだけ、声が甘くなる。
「どうせ最後に戻ってくるの、俺でしょ」
逃げ道なんて最初からないみたいに、
優しく抱き寄せられる。